子育てをしている他のママさんとの会話の中で
「うちの子はイヤイヤ期が全くなかったよ〜」
と聞くと、つい「羨ましい」と思う親も多いでしょう。
嫌なことがあるとすぐに床や地面に寝転んで叫んでいる我が子の姿を見ると
恥ずかしい気持ちや、自分の育て方が悪くてこんなに聞き分けの悪い子になってしまったのではないか?と考えてしまうこともあるかもしれません。
自分の子供は賢くないから、頭が悪いから感情のコントロールしたり言葉にしたりできないのだ
という考えに至る親御さんも実際に見てきました。
しかし、イヤイヤ期がある子とない子には理由があります。
正確にいうと、イヤイヤ期の反応が強く出る子と弱く出る子がいます。
全く、イヤイヤ期がないということはありませんよ。
もしあったとしたら発達に何かしら問題があるかもしれません。
子供のイヤイヤ期とは何かを改めて理解して、子供との関わり方を見直してあげることで
反発する子供の行動を減らしたり弱めてあげることはできるかもしれません。
本記事では、子供のイヤイヤ期について親が知っておきたいポイントを解説します。
イヤイヤ期がない子が羨ましいと感じるママさん必見!発達からわかるイヤイヤ期の役割
「イヤイヤ期のない子供」は羨ましいと思ってしまいますよね。
しかしイヤイヤ期は発達の段階で、必ず通る道でもあるのです。
子どもの発達におけるイヤイヤ期の役割
子供は1歳半ごろから「自分」というものがわかるようになってきます。
鏡に映っているのは自分だ!ということがわかるようになってきていませんか?
それが「自己意識が芽生え」でありイヤイヤ期突入への一丁目一番地です。
自己意識が育つにつれて
- 自分でやりたい
- これがやりたい
- あれが欲しい
という自発性・自己主張が強くなっていきます。
しかし、子供は言葉をうまく話せません。
それを伝えたいために「いや」という言葉を使ったり全身で表現したりするのです。
自分の要望を子供が話せる単語・言葉で1〜2語程度で伝えるというゲームをパパママでぜひ一度やってみてください。
意外に難しいことに気づくはずです。
子供はこういったハンデを抱えながら自分の要望を伝えてくれています。
イヤイヤ期は、子どもが自分の意思や感情を示し始める大切な成長のステップです。
これは「自立」を学ぶための自然なプロセスであり、親子ともに乗り越えるべき時期といえます。

イヤイヤ期がない子どもはいるのか?
実際に、イヤイヤ期がほとんど見られない子どももいます。
しかし、イヤイヤ期が全くないという子供はいないと考えています。
先ほども説明した通り、イヤイヤ期は「自我の芽生え」であり自己主張をする発達の過程でとても重要です。
イヤイヤ期が目立たない子供は元々の生まれつきの性格に加えて周りの環境や育て方が影響している場合が多いです。
元々の性格は変えることができませんが、親が努力することでイヤイヤの行動を制御することは可能です。
その内容については後述しますね。
イヤイヤ期がない子は賢い?
「イヤイヤ期がない子は賢い」と感じる親も少なくありません。
確かに、自己主張が少なく、指示に素直に従う姿を見て「理解力が高い」「賢い」と思うのは自然なことです。
言語がもっと増えたら感情を言葉に表現できると思うと、言葉が遅い自分の子供は頭が悪いというように悲観してしまうこともあるかもしれません。
しかし、「イヤイヤ期がない」こと自体が子どもの知能や能力の高さを直接示しているわけではありませんので安心してください。

イヤイヤ期が目立たない子どもの性格・育児環境とは?注意点も
それでは、イヤイヤ期が目立たない子供はどのような性格や環境で育っているのでしょうか?
子供の生まれつきの性格
生まれつき穏やかで、自己主張が強くない子どもはイヤイヤ期が目立たないことがあります。
また、環境への順応が早い子も同様です。
これは子供の生まれつきの性格のため、親が関与できる問題ではありません。
親が子供の性格を変えることはできませんし、ひどく叱ったり罰を与えて子供の欲求を抑えてしまって感情を表現できないということがあってはなりません。
親ができることは育児のスタイルや環境を整えてあげることしかありません。

育児スタイルの影響
育児のスタイル、つまり子供との関わり方でイヤイヤ期の問題行動を抑制することができるかもしれません。
例えばジェントルペアレンティングなどの子どもの感情を尊重する育児法を実践している場合
子どもが安心感を持つため、自己主張を強くする必要性を感じないことがあります。
また感情を親が言葉にしてくれるので、言葉の発達を促進したり、子供の要望を理解して叶えてあげることができるので、問題行動が少なくなる傾向もあります。
ジェントルペアレンティングの育児法については詳しくはこちらの記事をご覧ください。
イヤイヤ期が目立たない子供を育てる際の注意点
イヤイヤ期がないからといって、自己表現が必要ないわけではありません。
感情表現が穏やかだからといって子供の感情を気に留めないでいると、
成長につれて自己表現が苦手になってしまい社会性という部分で問題が出てきたり
遅れて自己主張が強まってしまって親子の関係に問題が現れてしまう可能性も。
子どもが感情を伝える力を育むために、日常会話や遊びの中で「どう思った?」と問いかける機会を作りましょう。

イヤイヤ期の子供に対応するコツ3選
イヤイヤ期の子供にどうやって対応したらいいのか、具体的なコツをお伝えします。
まず、大前提として、大人のイライラは子供にも伝わります。
子供と同じレベルで喧嘩していては、イヤイヤの反撃はさらに強くなってしまうでしょう。
俯瞰して、そこは大人の対応をしてあげることが大切です。
①子供の感情を理解して、気持ちを言葉にする
子供が自分でやりたいと思ったことはやらせてあげるのが良いでしょう。
その時、子供の気持ちを推測して言葉にして代弁してあげることで、言葉で自己表現ができるようになってきます。
子供の行動には必ず理由があります。
- 靴を投げた ・・・ 自分で靴を履きたかったんだね。
- 突然床に寝転んで泣いている ・・・ あっちに行きたかったんだよね
- 食べ物を投げた ・・・ まだ食べたくないんだね。
時間があれば、自分でやらせてみたり、ご飯の時間も柔軟に対応したりして、お互いにストレスのない対応ができると良いですね。
②代替案で気持ちの切り替えを
子供のやりたいことをやらせると言っても、危険な行動や禁止の場所に立ち入るなどは親としては「ダメ!」と言わざるを得ません。
そんな時には、代替案を提案しましょう。
- こっちなら行っていいよ
- 車に乗ったらおやつを食べよう?
- このおもちゃと交換してくれない?
子供は、その時は「嫌だ〜〜〜〜」と泣いていますが、興味が変わると一瞬で気持ちが切り替わったりすることもあります。
気持ちを言葉にしてくれているので、理解してもらっているという安心感を与えつつ、気分が切り替わる代替案を提案してみましょう。

③行動+褒め言葉 & すぐ褒めるが大切
子供がダメな行動をした時ばかり声をかけていませんか?
自分が子供の立場だったとして、「だめ」としか言われなかったら、落ち込みませんか?
自己肯定感を高めるという意味でも「褒める」というのは大切になってきます。
褒める時のポイントは
「行動 + 褒め言葉」&「やり始めたらすぐ褒める」
です。
- お片付けしてくれたの!えらいね!ありがとう
- それやってくれたの?ママ助かるなぁ
- おてて繋いでえらいよ。ママ嬉しいな
こう言った行動と褒め言葉をセットで声掛けしてあげてください。
また、やり始めたらすぐ褒めることが大切です。
お片付けが終わってから・・・と先延ばしにしていると、忘れてしまったり、お片付けの途中でやめてしまった時に褒めるタイミングを失います。
最初に褒めておくと、最後まで継続できる可能性も上がります。
いつも褒めてくれて愛着形成ができている大好きなママから「これはやめて」と言われたら、今日は言うこと聞こうと言う気持ちに子供もなってくれるかもしれません。
(そううまくいかないのも知っていますが。。。笑)

終わりに:イヤイヤ期があってもなくても素晴らしい子育てを
今回は、イヤイヤ期の役割と、ない子の特徴、イヤイヤ期の子供の対応の仕方について解説しました。
イヤイヤ期がある子どもは、自己主張を通して強い意思や自立心を育んでいます。
一方で、イヤイヤ期がない子ども(主張が弱い子供)は、穏やかな成長を遂げていることが多いです。
どちらが良い悪いではなく、それぞれの特性に合わせた接し方が親に求められます。
子ども一人ひとりが違うペースで成長しています。
親子の特性を理解しながら、その子に合ったサポートをしていきましょう。
このブログでは、イヤイヤ期のこんなシーンはどうやって対応する?というQ&Aの記事も掲載しています。
もし興味がある方はそちらもぜひご覧ください。