この記事では、海外で注目の育児法「ジェントルペアレンティング」を実践する親の心構えについて詳しく紹介していきます。
日本では、「叱らない育児」などと同義語とされているジェントルペアレンティング。意味合いは若干違うのですが、日本で「叱らない育児」を実践しようとするとき、こんな声が聞こえてきます。
叱らない育児を実践してみてるけど、想像以上に親の負担が大きい。。。我慢の限界かも。
甘やかして周りに迷惑ばかりかけないでちゃんとしつけをしてほしいなぁ
子供との関わりの中で、叱らないと決めても、奇想天外な行動をする子供を目の前にして我慢の限界から精神的負担を感じている方もいるでしょう。
また、従来の育児法から逸脱していると、批判の声を受けることも多々ありますよね。
- 子供の関わり方について負担に感じている
- 子育ての方針に悩んでいる
- 子供が成長するにつれてどう子供と関わっていったらいいかわからない
- 周囲の目が気になる
こんな悩みを抱えている親御さんの心を少しでも軽くできたら嬉しいなと思っています。
お時間のある方は最後までご覧いただけると幸いです。
はじめに
子育てに悩む親の皆さんへ
子育てには、多くの喜びとともに多くの悩みがつきものです。
子供の成長に伴い、親としてどう接するべきか悩む瞬間が増えてきます。
その中で、叱るのが苦手で、叱らない育児をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
自身の育児方針がしっかり定まっていて「叱らない」と決めたのであれば、筆者はそれを貫いて良いと考えています。
海外で注目の「ジェントルペアレンティング」育児法でも叱らないことを選択しますよ。
ジェントルペアレンティングとは?
このブログでは「ジェントルペアレンティング」の育児法を発信しています。
海外では、モンテッソーリ教育と並びメジャーな教育方法の一つですが、まだ日本では浸透していない教育法でもあります。
日本の叱らない育児と似ている部分もありますが、本質は違うので、詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
ジェントルペアレンティングを実践する際の基本的な心構え
忍耐と一貫性を持つ
ジェントルペアレンティングでは、親が忍耐強く一貫性を持って接することが求められます。
同じことを子供が行なっても、ある日は親の機嫌がいいので注意されなかったが、別の日にはひどく注意されたなど、一貫性のない態度は、子供の信頼を損ねてしまう恐れがあります。
親は、感情や気分に流されず、一貫性と判断基準を持って、子供と接することが大切です。
親自身の感情をコントロールする
「親の感情は子供に強い影響を与えます。自分のストレスや苛立ちを冷静に管理し、子供に接するときは穏やかな態度を保つよう心がけましょう。」
というのが教科書的なジェントルペアレンティングの考え方です。
しかし、親も人間なので感情が抑えられない時もあると思います。そんな時は後から子供に謝るなど真摯な対応をすることで、信頼関係は芽生えてくると思います。
そもそも、親が感情のコントロールが難しいのに、子供に感情コントロールさせるというのが難しいよね、ということを理解できるだけで、子供が感情を爆発させて癇癪を起こしていたとしても冷静に対処できる場合もあります。
自分(親)もコントロールできないこともあるよね。
という広い心を持って接してあげることが重要です。
親子の信頼関係を高める
ジェントルペアレンティングは、子供の自己肯定感を育てることを重視しています。
自己肯定感を高める方法として、親子の信頼関係が非常に重要です。
親子の信頼関係と具体的なアプローチについてはこちらの記事で詳しく説明しています
実践する親はどんなことに注意したらいい?
自己管理とセルフケアの重要性
ジェントルペアレンティングを実践するうえで、親自身の感情管理とセルフケアは不可欠です。
子どもの感情に共感し、穏やかに対応するためには、親が心の余裕を持っていることが一番重要です。
忙しい日々の中でも、自分のストレスや疲れを認識し、適切にケアする方法を見つけることが、育児の質を高める鍵となります。
子どもを一人の人間として尊重して接する
昨日まで出来なかったことが急にできるようになるのが、子供です。
大人が想像していない成長を遂げている中で、いつまでも大人が子供を子供扱いして接していると、なかなか子供の感情を理解してあげることができません。
自分の子供は自分とは違う人格の一人の人間と認識して、相手を思いやる行動を取ることで、良好なコミュニケーションを図ることができるでしょう。
ジェントルペアレンティングでは、子どもの感情に寄り添い、理解しようとする姿勢が大切です。子どもが泣いたり怒ったりする場面では、その感情の背景を探り、子どもが感じていることを言葉にして伝えることで、子どもは「自分は理解されている」と感じ、安心します。また、この共感が、子どもが自己表現を学び、感情を適切にコントロールする力を養う基盤となります。
一貫性と柔軟性のバランスを取る
ジェントルペアレンティングでは、一貫性のある対応が信頼関係を築くうえで重要ですが、同時に柔軟性も必要です。
それは、一貫性にとらわれるあまり、ルールに縛られすぎて親も子供も窮屈になって、ストレスの原因になることがあるからです。
すべての状況に対して厳格なルールを適用するのではなく、子どもの発達段階やその時の状況に応じて、柔軟に対応することが求められます。
このバランスが、子どもに安心感を与えるとともに、適切な行動を導く力となります。
長期的な視点で見る
ジェントルペアレンティングを実践する際には、短期的な結果を求めるのではなく、長期的な視点で子どもの成長を見守ることが大切です。
叱らずに育てることで、子どもがすぐに正しい行動を取るようになるとは限りません。
しかし、時間をかけて信頼関係を築き、子どもの自己肯定感や社会性を育むことで、将来的に子どもが自ら考え、行動できる力を養うことが目指されます。
ジェントルペアレンティングの実践に役立つアドバイス
日頃から心に留めておくポイント
ジェントルペアレンティングを実践していく上で下記を常に心に留めておくと、基準がぶれないです。
- 子供のペースを尊重する
子供は自分のペースで成長しています。焦らず、子供のリズムに合わせた生活を心がけることで、子供は安心して成長することができます。 - 子供の感情を受け入れる
泣いたり、癇癪を起こしたりするのは、子供が感情を表現している証拠です。子供が目の前で泣いていると焦ったり慌てたりしてしまいますが、成長の証と捉えて、心を乱さない努力をしていきましょう。 - 親としての成長を楽しむ
ジェントルペアレンティング(叱らない育児)をするときは、困難な状況や我慢できない事象にぶち当たるかもしれません。そんな時は、これを乗り越えたら親としてもっと成長できる!と前向きに捉えて、子供と関わっていくことが大切です。
小さな成功体験を重ねる
日頃から、日常の中に小さな目標を設定し、達成できた時には親も子供も共に喜びを分かち合うことで、育児への自信がつきます。
例えば
- 今日も子供とご飯の時間に目を見て会話をすることができた
- 子供が癇癪を起こした時も、慌てずになぜ泣いているのかを理解しようとつとめ、泣き止ませることに成功した
- 子供ができた!という嬉しい気持ちを一緒に喜び合うことができた!
このような日々の小さな成功体験を重ねていくことが、親としての成長にもつながっていきます。
パートナーとの協力体制を築く
育児は一人で行うものではありません。
パートナーとの連携を強化し、お互いをサポートし合う体制を築くことが重要です。
さらにはママとパパの意見が違うというのも子供は混乱を招きます。
ジェントルペアレンティング育児をしていくためには、パートナーにも同じ基準とルールで子供と接してもらう必要が出てきます。
サポートを求める勇気を持つ
ジェントルペアレンティング育児をしていくためには、とにかく親の心のゆとりは非常に重要です。
心のゆとりがない日は、子供の行動に対しても許容できなかったという経験、誰しもあるのではないでしょうか?
家事育児に加え、仕事などもしていたら、必然的にゆとりがなくなってしまうのは仕方のないことでしょう。
そんな時には周囲のサポートを受けることも必要です。
友人や家族、専門家に助けを求めることで、家事・育児の負担を軽減し、心の余裕を持つことができます。
ジェントルペアレンティング育児を続けるのがしんどい時
周囲の意見に流されない心構え
周囲からの意見や情報が要因で自分の育児方法の自信を失ってしまうことはよくあることです。
本当にこの関わり方で良いのだろうか・・・?
育児は不安でいっぱいですよね。筆者もそうでした。
しかし、育児に正解はありません。
いい意見は取り入れつつ、自分が良いと思った育児方針に自信を持ち、一生懸命関わっていたら、子供もそれに必ず答えてくれるはずです。
一貫性を保つための工夫
慌ただしい日々を過ごしていると、自宅や子育てでのルールや一貫性を保って生活するのはきつい時もあるかもしれません。
一貫性を保ちながらも柔軟な対応ができるようになるためのいくつかの工夫をご紹介します。
1. ルールをシンプルに保つ
家庭内のルールはシンプルでわかりやすいものにしましょう。
ルールが多すぎると、親も子どもも混乱しやすくなります。
例えば
- 「食事中は座って食べる」
- 「おもちゃを使った後は片付ける」
といった基本的なルールに絞り、それを日常生活に取り入れます。
2. ルーチンを作る
毎日の生活にルーチンを取り入れることで、一貫性を自然に保つことができます。
朝の支度、食事の時間、寝る前のルーチンなど、日常の中で決まった流れを作ることで、子どもは次に何が起こるかを予測しやすくなり、親も子供もスムーズな日常生活を送りやすくなります。
3. 家族全員でルールを共有する
家族全員が同じルールに従うことが、一貫性を保つためには重要です。
例えば、両親が異なる基準で子どもに接すると、子どもはどの行動が正しいのか混乱してしまいます。家族で話し合い、ルールや方針を共有することで、一貫した対応が可能になります。
4. ルールを守ることの理由を伝える
ルールを守ることの重要性を子どもに理解してもらうために、その理由をわかりやすく説明しましょう。
たとえば、「おもちゃを片付けるのは、次に使うときにすぐ見つけられるようにするためだよ」と伝えることで、ルールが子どもにとって意味のあるものになります。
5. 時には柔軟さを許容する
一貫性は大切ですが、時には柔軟に対応することも必要です。
たとえば、特別な日や子どもの体調が悪いときには、ルールに少し緩やかに接することも許容されます。
その際、なぜ今回は例外なのかを子どもに説明することで、基本的なルールへの理解を深めることができます。
6. 自己チェックの時間を設ける
定期的に自分自身の対応を振り返る時間を持ちましょう。
一日の終わりに、「今日はどのルールを守れたか」「どこで改善が必要か」を考えることで、翌日からの育児に活かすことができます。
難しく考える必要はありませんが、少しの時間育児に対して考えてみることが、一貫性を保ちながらも育児の質を向上させるための重要なステップです。
7. ポジティブなフィードバックを大切にする
子どもがルールを守ったり、一貫した行動をとったときには、積極的にほめてあげましょう。
ポジティブなフィードバックは、子どもにとっての励みとなり、今後もルールを守る動機付けになります。
これらの工夫を取り入れることで、日々の生活の中で一貫性を保ちつつ、子どもの健やかな成長を支えることができます。
育児において一貫性を保つことは難しいかもしれませんが、ルールや習慣を少しずつ定着させることで、子供も安心して日常を過ごすことができます。
ストレスとの向き合い方
育児は自分の思い通りにならないことだらけです。
子供のことだけではなく、夫との関係や職場での悩みなどが原因で、家でも心の余裕がなく過ごしてしまうこともあるのではないでしょうか?
育児中のストレスを軽減するためには、自分自身の時間を持ち、リラックスできる時間を確保することが必要です。
自分なりのストレス発散方法を見つけたり、家事や育児を軽減して自分の時間を作るなどして、前向きに子育てに取り組んでもらえると良いかなと思います。
まとめ
ジェントルペアレンティングを実践するための親の心構えや具体的な方法について解説していきました。
ジェントルペアレンティングは日本の「叱らない育児」に似ていて、この育児法を実践していくためには親の忍耐や負担はとても大きいものになるケースが高いです。
子どもを一人の人間として尊重しながら、長期的な視点で子どもの成長を見守っていきましょう。
また、親自身のセルフケアやパートナーとの協力というのがとても大切です。
生活の中でジェントルペアレンティングの軸となる「一貫性」を保つための工夫を取り入れながら、親自身が負担を背負わないように、子供と向き合っていってほしいなと思います。
詳しくジェントルペアレンティングの実践方法が知りたい方はこちらの記事もご覧ください。