この記事では、海外で注目の育児法「ジェントルペアレンティング」を実践するためのステップについて詳しく紹介していきます。
海外ではモンテッソーリ教育と並んで注目されている「ジェントルペアレンティング」。
こういった海外の育児法を取り入れる時、従来の親主導の育児とは違うため、親側に負荷が多いことがあります。
モンテッソーリ教育を取り入れてみたけど、なかなか完璧に実践できない
海外と日本は子育ての概念が違うから、周りの目などが気になってしまう・・・
今回は、ジェントルペアレンティングを始めるための最初のステップについて紹介していきます。
これは、他の教育方針(モンテッソーリ教育・泣かせない育児・叱らない育児・ネントレなど)を行う上でも参考になる部分があると思います。
ぜひ、お時間ある方は参考にご覧ください。
はじめに
育児に関する基本概念と、心構えを認識することで、実践までのロードマップがスムーズに進行します
育児の難しさを理解する
育児には、多くの挑戦が伴いますよね。
子育てを始める大人は、初めての挑戦ばかり。ずっと正解を選択し続けることは人間ですから難しいです。間違いや失敗もあります。
そんな時も、愛情をベースに子供と接していたら、きっと子供も大人を理解してくれるでしょう。
- 子育てに正解はない。自分も子供も人間だから上手くできない時もある
このような気持ちを持って育児に挑戦することで、自分や相手を許すことができるのではないでしょうか。
ジェントルペアレンティングの基本原則
ジェントルペアレンティングとはどんなものでしょうか?
実際に新たな育児法に挑戦するときは、その育児法の概念や内容を理解して自分の行動に落とし込む必要があります。
1)子供の感情を尊重する
1歳児はまだ言葉で自分の感情をうまく表現できません。
ジェントルペアレンティングでは、泣き声や表情を通じて伝えようとする子供の感情を尊重し、共感することが重要です。
2)愛情と一貫性のある接し方
愛情をもって接することはもちろん、しつけやルールにおいても一貫性を保つことが大切です。
この一貫性が、子供に安心感を与え、信頼関係を築く基盤となります。
3)自主性を育む環境づくり
子供が自主的に行動できる環境を整えることで、自己肯定感や自立心を育てます。
1歳児にとって安全でありながらも、自由に探索できるスペースを提供することが求められます。
ジェントルペアレンティングの実践するための最初のステップ
1. パートナーとの協力と連携
家族間で意見が食い違っていたら、子供は混乱してしまいます。
まずは、パートナーはじめ家族で教育方針のすり合わせと基準の設定を行います。
また、育児は一人で行うものではありません。
家事も含めて、パートナーシップを強化し、共に育児を実践することは、ストレスを軽減し、家族全体のバランスを保つために重要です。
コミュニケーションを密に取り、役割分担をしっかりと行いましょう。
2. 家庭内でのルールの策定
ジェントルペアレンティングでは、一貫性を重要視しています。
子供が同じ行動をしたとしても、
”今日は注意されなかったのに、昨日は怒られた”
など、一貫性のない行動は、子供の混乱を招き、信頼関係を壊してしまいかねません。
家庭内で、育児の方針・判断基準を明確にしましょう。
- 命に関わる行動に関しては、叱る
- 食事中に立ち上がったり、物をこぼしたりしたら、失敗は叱らずに穏やかに対応する
- 子供が抱っこしてほしいと要求したら、応える
- 子供とのちょっとした約束を必ず守る
など
親が心に余裕がなかったり、忙しかったりすると、食べ物をこぼしたり、服を汚したりすることも「だめ」の対象に入ってしまったりしますが、穏やかに対応すると決めたら一貫した行動をとりましょう。
3. 親子のコミュニケーション
育児は一人で行う物ではありません。パートナーはもちろん、相手の子供あって成立します。
まずは、子供の反応をよく観察しましょう。
戸惑っていないか?
不安に思っていないか?
気にかけることで、新しい子供との関わり方もお互いが受け入れやすくなるでしょう。
そして、子供とのコミュニケーションでは、
- 視線を合わせる
- シンプルな言葉で話しかける
など、基本的ですぐにでも始められるコミュニケーションが大切です。
子供の反応に対して積極的にリアクションを返すことで、親子の信頼関係を深めます。
具体的なアクション例
癇癪(かんしゃく)への対処法
癇癪(かんしゃく)とは、激しく泣いたり、奇声を発するなど興奮を伴う混乱状態のことを指します。子供が癇癪を起こしたときは、子供自身が感情表現がうまくいかず、このような状態になってしまっていることを理解しましょう。
下記が具体的なステップです。
1)冷静な態度を保つ
- 親が落ち着く: 子供が癇癪を起こしている時、親が感情的にならずに冷静でいることが重要です。親が穏やかでいることで、子供も徐々に落ち着きを取り戻しやすくなります。
2)感情を受け入れる
- 感情を否定しない: 子供が怒りや悲しみを感じている時、その感情を否定せずに受け入れます。「今、すごく嫌だったんだね」「怖かったんだね」と共感の言葉をかけることで、子供は理解されていると感じ、安心します。
3)安全な環境を確保する
- 危険を避ける: 癇癪を起こしている時は、子供が安全に過ごせるように配慮します。もしその場が危険な場合は、静かで安全な場所に移動させることが必要です。
4)待つ
- 時間を与える: 子供が感情を表現する時間を大切にします。無理に落ち着かせようとせず、子供が自分のペースで感情を整理できるよう、そっと見守りましょう。
5)適切な言葉を使う
- シンプルで明確な言葉: 子供が理解しやすいように、短くてシンプルな言葉を使って説明します。例えば、「泣いてもいいよ。でも、叩くのはやめようね」といった形で、感情を認めつつも行動の制限を伝えます。
6)抱っこやハグを提案する
- 身体的な安心感を提供: 子供が落ち着いたら、抱っこやハグをして安心感を与えることも効果的です。身体的な接触は、子供に安心感と愛情を伝える手段となります。
7)癇癪が収まった後のフォローアップ
- 行動の振り返り: 癇癪が収まった後で、何が起こったのかを子供と一緒に振り返りましょう。「さっきはどうして怒ったのかな?」と優しく問いかけ、子供が自分の感情や行動を理解する手助けをします。
- 代替行動を教える: 次回同じ状況が起こった時にどうすれば良いかを一緒に考えます。「怒った時は深呼吸をしてみようね」など、感情をコントロールする方法を教えます。
8)次回に備える
- 癇癪のトリガーを理解: 子供が癇癪を起こす原因を探り、それを避けるか、トリガーを和らげる方法を見つけます。たとえば、疲れや空腹が原因なら、休憩やおやつを挟むことで予防できます。
ジェントルペアレンティングでは、子供の感情を尊重しながら、冷静かつ共感的に対応することが基本です。
これにより、子供は自分の感情を理解し、徐々に自己調整の方法を学んでいくことができます。
ジェントルペアレンティングを続けるためのヒント
継続するための心構え
ジェントルペアレンティングを続けるためには、親自身の忍耐力と前向きな姿勢が必要です。
短期的な結果を求めず、長期的な視点で取り組むことが大切です。
すぐに結果が出ずに周りの子供との差を感じることもあるかもしれません。
一度決めたらまずは、継続して周りの意見に流されることなく、自分を信じて子供と関わっていくことをお勧めします。
育児に正解はありません。
その親子それぞれにあった関わり方があることを念頭に置いて子供と接していってほしいなと思います。
自分自身をケアする大切さ
育児において親自身のメンタルケアも忘れてはなりません。
- 周囲からの批判やプレッシャー
- 育児に対するストレス・疲れ
こういった壁にぶち当たることもあるでしょう。
適度に休息を取ることや、自分の時間を持つことで、心身のバランスを保つことができます。
具体的なケアの方法についてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
ジェントルペアレンティングを実践する上での最初のステップについて説明していきました。
癇癪への対応の仕方についても説明しています。
今後、イヤイヤ期の対応方法を中心に具体例についても記事を上げていきますので、ぜひそちらもご覧ください。