なぜ、母親失格という言葉が生まれたのでしょうか?
合格している母親はどれだけいるのでしょうか?
- 子供を最優先しないといけない、親なら子供が一番でないといけない
- 子供の問題行動はすべて親の責任
- 料理は手作り、家事も完璧に。
- 仕事ばかりして子供がかわいそう
こんな世間からの言葉が
理想の母親像を作り、子育てのしにくさを生み苦しくなっているのではないでしょうか。
私は、子供が元気に笑顔で生きているだけで、母親として合格だと考えています。
子供と親は別の人格です。
そこを混合させてしまうと、自己犠牲の育児をしてしまったり、子供に過度な期待やしつけをしてしまう原因にもなり得ます。
今、この記事を読んでいる子育てをしているお母さんは、きっと
今、自分ができることを精一杯やっている
はずです。
それで十分です。
この記事では、「母親失格」という言葉に対して
どう向き合っていくか、乗り越えていくかを発信していきます。
この記事を読んで、少しでも子育ての精神的負担が軽くなったり、明日からの子育てが前向きに取り組んでいただけるきっかけになれば嬉しいです。
もしお時間があれば最後までご覧ください。
なぜ「母親失格」という概念があるのか?
私も、SNSなどを通じて見ず知らずの人から「母親失格」という言葉を投げかけられたことがあります。
みなさんとは違う状況かもしれませんが、少しは気持ちがわかる身として、一緒に乗り越えていけたらと思います。
世間の完璧な母親像が、親を苦しめている現実
昔の日本と今の日本は状況も環境も全く違うにも関わらず、なぜか「理想の母親像」だけは、アップデートされていないと感じます。
- 子供が生まれたら母親は自分を犠牲にしてでも子供を最優先する
- 冷食や惣菜を夕飯に出すのは母親失格
- 子供を他の人に預けるなんて怠けている
- 子供が泣いて迷惑かけているのは親の責任
- 小さい子供を連れて外出するなんて子供がかわいそう
こんな価値観は、明らかに古いです。
今は、情報も多く、共働きをしている家庭も多い中で、なぜそのような価値観が蔓延しているのでしょうか?
日本特有の同調圧力による古き良き母親像
日本人は、同調圧力が特に強く、他の人と違った言動をすると攻撃されがちです。
例えば、コロナウィルスが蔓延した時も、日本ではマスク警察という言葉がありましたよね。
自分が我慢しているのに他の人が楽しんでいたら許せないという感情から、マスクをしていない人を批判したり、自粛していないお店を晒すなどの行動が見られました。
- 私が損をしているのだから、君も損をすべきだ
- 俺も我慢しているんだから、あなたも我慢しろよ
このような「自分を損してでも相手の得を減らしたい」感情をスパイト行動といいます。
日本人は、このスパイト行動が強いという研究も出ています。
子育てで苦労した経験をした親たちが、
自分たちが苦労したんだから他の親たちも苦労すべき
こんな思考から、世間の目が厳しくなり親たちを苦しめている原因の一つになっています。
「母親失格」というワードから自分を解放する方法
ここからは「母親失格」という言葉を受けて、どう向き合って乗り越えていくかということを考えていきたいと思います。
自分の感情を認める
「母親失格」というキーワードを受けてネガティブな感情を抱いてしまうことがあるでしょう。
自分に自信がなくなって、子育てに対して不安を感じることがあるかもしれません。
まずは、この自己否定的な感情を認めてあげることが大切です。
「こんな感情はダメだ」
とさらに否定をしてしまうと、どんどん意識がそこに向いてしまいます。
自己否定的な感情を認めることで、その感情を手放すことにつながっていきます。
客観的な視点を持つ
先ほども述べたように、日本人は「スパイト行動」を起こすことが多いです。
何か自分に否定的・攻撃的な意見を目にしたり投げかけられたら、このスパイト行動の理論を思い出してみましょう。
日本人は、人に損をさせたい人種なのだと俯瞰してみると、少しは冷静に考えることができます。
そして周囲の意見に振り回されず、自分の子育てを信じましょう。
母親が100人いたら100通りの育児があり、正解はありません。
逆にいうと、その100通りの育児が全て正解とも言えます。
子供に日常的な生活を不自由なくさせることができているだけで、母親として十分な役割を果たしています。
今日も自分の子供が、すやすやと幸せそうに眠っているだけで、今日も母親として合格なのです。
自分の機嫌をとる方法を探す
皆さんは、自分の機嫌をとる方法を持っていますか?
一度、振り返って紙に書き出してみると良いかもしれません。
- 自分のイライラを落ち着けることができる方法
- 自分のテンションが上がる行動
- 好きだなと思う瞬間
こういったものを思い出して書き出してみると、意外と自分の機嫌をとる方法が見つかるかもしれません。
嫌な気持ちを持ち続けていると、心も体も健康が損なわれてしまいます。
自分の機嫌や気持ちをコントロールできる方法は自分自身が持っていると、良いです。
また、小さな成功体験を積み重ねることが自己肯定感を高めることにも繋がります。
- 今日も、子供と一緒に遊ぶ時間を取ることができた
- 子供を寝かしつけることができた
- 子供と一緒にお風呂に入ることができた
- 子供の好物のご飯を作ることができた
こんな小さな目標を達成するだけでも成功体験として積み重ねていくことができるでしょう。
しかし、こういった小さな目標でいいの?と不安になる完璧主義のママさんもいますよね。
完璧主義なママさんほど、自分は完璧主義という自覚はなく、自分に高い目標を課してしまう方も多いです。
もし、気持ち的に晴れないということであれば、カウンセラーや市町村の育児相談窓口に相談するということも視野に入れてみてください。
第三者に子育ての話を聞いてもらうだけでも、気持ちの整理ができたり、新しい価値観を知るきっかけになりますよ。
自分に優しくできていますか?ジェントル育児で大切なこと
このブログでは、ジェントルペアレンティングについて発信しています。
このジェントルペアレンティングは、日本語では「叱らない育児」「優しい育児」「共感育児」などのワードで馴染みがあるかもしれません。
子供へは、叱らない・優しく・共感ということをしようと意識している方も多いですが、まずは自分を叱らない・気持ちに共感するということを行なってみてほしいのです。
母親失格と言われて、辛い気持ちになっていると思います。
しかし、自分を責める(叱る)ことはしてはいけません。
まずは自分を大切にすることから始めてみましょう。
ジェントルペアレンティングとは?
ジェントルペアレンティングとは、簡潔にいうと「子どもとの共感、尊重、信頼を築く育児」です
子供の行動には必ず背景とそこに子供なりの感情があります。
これを理解してあげることで、親子の絆を育んでいくのです。
ジェントルペアレンティングについては詳しくはこちらのブログをご覧ください。
従来の厳しくするしつけとの違いに周りの目が気になる
ジェントルペアレンティングでは「叱る」という手段は使いません。
しかし、子供が問題行動を起こした時に、叱って指導やしつけをしていないことに違和感を覚える周りの人間は必ずいるでしょう。
私も、ジェントルペアレンティングを実践していると、実母から「もっと叱った方がいい」と言われたことがあります。
母は怖い存在、父は優しい存在がいいという謎の理論を実母に押し付けられたのを今でも覚えています。
- しつけを怠っている=母親失格
という言葉をかけられることもあるかもしれません。
自分の育児に自信が持てなくなることも。
今回の記事を読んで、母親失格という概念から自分を解放してあげてください。
子供との信頼関係が一番大切。周りは関係ない
子育ては、親と子供の関わりがとても重要です。
親子の信頼関係を築くという行為に周りの意見は正直関係ないですよね。
周りからの意見に気を取られてしまって、子供の本心や気持ちを無視してしまっては本末転倒です。
親が負担を感じないことを心がけながら、自分なりに子供にまっすぐ向き合うことが、将来的に子供の成長にも良い影響を及ぼしていくでしょう。
自分らしい子育てを楽しもう
今回は「母親失格」の概念とその乗り越え方について解説していきました。
世間が抱く完璧な母親像は、今の現代社会では両立するのがとても難しい環境であることは明らかです。
周りが作った母親像に縛られて「母親失格」というレッテルを貼る必要はありません。
育児に正解はありません。
100人の親がいたら100通りの育児があり、全てが正解です。
この言葉を胸に、自分なりに子供と向き合って親子の絆を深めて、欲しいなと思います。
子供と親が一緒に過ごせる時間は人生を振り返るととても短く、貴重な時間です。
子供が成長するのはもちろん、親も一緒に成長していく期間として
楽しんで子育てに向き合っていってもらえる人が1人でも増えたら嬉しいです。