海外で注目の育児法「ジェントルペアレンティング」を知っていますか?
モンテッソーリ教育と並んで海外ではメジャーな育児法ですが、まだ日本ではあまり浸透していません。
これからの時代を生き抜くためには、「自分で考える力」や「非認知能力」、「グローバルな多様性」など、新たに身につけていってもらいたいことがたくさんあります。
その中で、自分の子供を育てるにあたり、こんな疑問や不安を持ったことはありませんか?
- 日本の伝統的な教育で子供の将来は大丈夫?
- 親ができる子供への教育ってなに?
私も、2歳になる子供を育てる母親として、子供の将来を考えた時に、今までの教育で大丈夫?と不安を覚えました。
日本の伝統的な教育である規律を守ることを重視した会社員マインドを育てる教育法では、これからの多様化する未来で自分の子供は生きていけるのか・・?
そんな漠然とした不安から、早期の英語教育や、モンテッソーリ教育をやろうと試みたこともあります。
しかし、英語教育はお金と親の自宅での負担も多いし、モンテッソーリは教具の準備や自宅スペースの兼ね合いなどで結局挫折して終わってしまいました。
そんな時に出会ったのが「ジェントルペアレンティング」です。
このジェントルペアレンティングの育児法では「共感」と「尊重」を大切にし、子供を一個人として認めることで、親子の絆を育んでいきます。
子供の行動の背景にある気持ちや感情を読み取り
- ○○○をされて嫌だったんだね
- まだ遊びたかったんだね
などと言葉にして共感をします。
そしてその感情を受け入れることで、親子の絆を育んでいくのです。
この時、親は「叱る」という手段は使いません。
常に冷静で、一貫した行動と言動をしてくことになるので、親の成長にも繋がる教育法ともいえます。
こうした関わり方をしていくことで、子供の精神面の安定や、自己肯定感・社会性を育てることができます。
特にお金をかけて準備をすることはありません。
親の関わり方や声掛けを意識することで今からでも実践できる教育手法です。
この記事ではジェントルペアレンティングの基本概念を学び、具体的な実践方法をお伝えしていきます。
記事を読んで、今日から実践をしていき親子の愛情の深めるきっかけになれればと思います。
この記事はこんな方におすすめです
- 子供を育てているパパママ
- 子供との向き合い方・教育方針に悩んでいる方
- これから子供を持とうとしている方
- 日本の教育や未来に不安を感じている方
今日から、子供への関わり方を変えることで、子供の未来が大きく変わるきっかけになるかもしれません。
ぜひ最後までご覧ください。
ジェントルペアレンティングとは?
幼少期の向き合い方が子供の将来に大きな影響を与える
育児をしている親であれば、多かれ少なかれ育児に悩むことがあると思います。
- 子供とどう向き合っていいかわからない
- イヤイヤ期がしんどすぎる
- どうしてこんなに癇癪を起こして泣いているの?
特に1歳前後の子供は成長が著しく、突然の癇癪や言うことを聞かないことも多々ありますよね。
しかし、この1歳前後の子供との向き合い方、育児の対応によって、親子の関係や子供の将来に大きな影響を与えることがあると言われているのも事実です。
多くの悩みを抱える幼少期の子育てだからこそ、本気で子供と向き合うことが大切であるとも言えます。
ジェントルペアレンティングとは?
ジェントルペアレンティングは、子どもとの関係を大切にし、共感や理解を基本とした育児法です。
この方法は、子どもの感情や行動に対して罰を与えるのではなく、共感的に対応し、子どもの感情を理解しようとする姿勢が特徴です。
ジェントルペアレンティングは、以下の4つの柱を中心に構成されています。
- 共感: 子どもの気持ちや視点を理解し、その感情を尊重する。
- 尊重: 子どもを一人の個人として尊重し、意見や感情を大切にする。
- 協力: 親子の関係を対等に考え、協力して問題を解決する。
- しつけ: 罰や厳しい指導ではなく、子どもの行動の背景を理解し、正しい行動を教える。
ジェントルペアレンティングでは、罰や強制的な手段を避け、代わりに子どもが自分で問題を解決できるようにサポートすることが重要視されます。
4つの柱を念頭に置き、親は一貫した対応を心がけて子供に接していくことが大切です。
ジェントルペアレンティングの理念
子供の感情を尊重する育児
子供は成長に伴い、子どもは日々、さまざまな感情を経験していきます。
喜び、悲しみ、怒り、不安など、これらの感情は子どもの成長にとって、とても大切なものです。
これらの様々な感情を通じて自分自身や周囲の世界を理解していきます。
しかし、幼い子どもは自分の感情をうまく言葉にすることが難しいため、時には泣いたり、かんしゃくを起こしたりすることがあります。
ジェントルペアレンティングでは、こうした感情を無視せずに受け入れ、共感することが大切と言われています。
ジェントルペアレンティング育児法では、この
- 共感
にとにかく重きを置いています。
子供が泣き叫んだり、癇癪を起こした時、親が子どもの感情を尊重し、受け入れる姿勢を持つことは、子どもにとって安心感を与えると同時に、自分の感情を健康的に表現する方法を学ぶ機会となります。
感情を無視したり、否定したりするのではなく、
- 「今、何を感じているの?」
- 「それは悲しいね。」
- 「怒っているんだね。」
など共感的な言葉を使って対応することで、子どもは自分の感情を理解し、受け入れることができるようになります。
親子の信頼関係を築く方法
親子の信頼関係は、子供が安全に感じ、自己肯定感を高めるための基盤となります。
日常的なスキンシップや、子供のニーズに応えることが信頼を築く鍵です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ジェントルペアレンティングがもたらす効果
1歳児の情緒と社会性への影響
ジェントルペアレンティングは、子供の情緒の安定や他者との関係性を築く力に良い影響を与えると考えられています。
理由としては、共感の関わり方を通して、子供は自分の感情を安心して表現することができるようになるからです。
感情を制限なく表現することで、さまざまな学びを経て、結果として、子供は自分の感情をコントロールする力を学び、他者の感情に共感する能力が育まれます。
また、親からの一貫したサポートにより、子供は他人との関係を築く際にも自信を持ち、健全な社会性を発達させます。
親子関係の強化
親の一貫した対応がないと、子供との信頼関係を築くことはできません。
「同じことをしているのに今日は怒られなかったけど、昨日は怒られた。」
こんな経験を繰り返していると、子供は親に不信感を抱いてしまいます。
子供の気持ちに共感するとともに、親の一貫性のある対応を通じて、親子間の信頼と絆が強まり、子供が親に対して安心感を持つようになります。
このような信頼関係が強固になることで、子供は家庭内で安心感を持ち、困難な状況に直面したときでも親に相談しやすくなります。
長期的な影響について
幼少期に受けた愛情と尊重に基づく育児は、子供の自己肯定感や自信の礎となります。
こうした子供は、将来的に健全な対人関係を築きやすく、ストレスや困難に対しても柔軟に対応できる力を持つようになると考えられています。
また、親からの肯定的な接し方が習慣化されることで、子供自身が親になったときにも同じような育児スタイルを取り入れる傾向があります。
結果として、ジェントルペアレンティングの長期的な効果は、子供の生涯にわたる精神的な健康や人間関係に良い影響を与えることになります。
ジェントルペアレンティングを実践したことで得られるメリット、具体的な子供像についてはこちらの記事が参考になります。
具体的なジェントルペアレンティングの実践方法
しつけを優しく行う方法
1歳ごろの年齢でのしつけは、言葉ではなく行動を通じて教えることが重要です。
どうしてもしつけの場面では「だめ」という言葉を使いがちです。
実際にやってはいけない行動をとっているため、そのような言葉を発しているのですが、子供は「ダメ」と言われるだけでは、何がダメなのか?どうすればよかったのか理解できません。
例えば、危険な行動に対しては「ダメ」と言うのではなく、代わりに何ができるのかを示しながら教える方法を提案します。
よくある誤解と課題
日本の「叱らない育児」や「甘やかし」との違い
ジェントルペアレンティングが「甘やかし」と誤解されることがありますが、この方法は子供の感情を尊重しながらも、必要な境界を設けることが特徴です。
日本の「叱らない育児」とも一緒にされやすいですが、この叱らない育児は、文字通り子どもを叱らずに育てることを指すことが多く、問題行動を起こしても注意することができない家庭も含まれていると思います。
ジェントルペアレンティングでは、子どもの行動に対して一貫したガイダンスを提供しつつ、罰を使わずに子どもと向き合うことを重視します。
子どもが社会的に適切な行動を学ぶための指導を怠らないが、厳しく命令するのではなく、理解と共感を持って指導を行うという点が大きな違いです。
要するに、ジェントルペアレンティングは子どもを尊重しつつも、適切な行動を促すためのしっかりとした指導を行う育児法であり、「叱らない育児」や「甘やかし」とは異なる、バランスの取れたアプローチです。
実践する上での現実的な課題と対処法
ジェントルペアレンティング育児を実践していく上で、課題は多く存在します。
まず、従来の子育てでは、子供をしつける方法として「叱る」という方法は多く用いられてきました。
これまで子育てに携わってきた人たちからすると、新しい育児方法には理解を示してもらえないことがあります。
「親なのに子供を甘やかしている」
こんな風に周りから評価を受けることもあるかもしれません。
また、子供の感情に寄り添っていくには、親側の時間と心のゆとりも非常に重要になってきます。
子供のしたい行動に共感してあげたり見守ってあげるには、通常より多くの時間を要しますよね。
仕事や家事育児に追われているパパママさんにとって、時間的制限から子供の行動を見守ったり、感情に共感してあげるのは難しい場合も出てきます。
今の日本の現状として
- 共働き世帯の増加
- 核家族が中心の家族構成
- 現代人の忙しさからくる心の余裕のなさ
- 子育て世帯への厳しい風当たり
このような現代だからこそ、我々、子育てをする親は、ジェントルペアレンティング育児を行うのは難しい場面もあるかもしれません。
その中で、完璧にやろうとはせず、良い思ったところや真似できることだけでも参考にしながら自分流の子育て方針を見つけていってほしいなと思います。
子育てに正解はありません。
親御さんとお子さんが笑顔で過ごせる状況が、一番の正しい姿なのかなと思います。
まとめ
ジェントルペアレンティングとは
ジェントルペアレンティングは、子どもの感情や行動に対して共感的に対応し、罰ではなく理解を重視する育児法です。
特に1歳前後の子どもは感情をうまく表現できず、癇癪を起こすことが多いです。
そんな時に、親が共感的に対応することで、子どもは安心感を得て、情緒的に安定していきます。
さらに親が一貫性を持って接することで、親子間の信頼関係が強化され、子どもは親に対する安心感を深めていくでしょう。
この育児法は、子どもの社会性や共感力の発達にも寄与し、将来的には健全な対人関係やストレスへの柔軟な対応力を育むことが期待されます。
さらに、親自身も子どもの感情に寄り添うことで、育児への自信と満足感を得られます。
育児に正解はない。自分なりに始められることから
現代の忙しい生活の中で、ジェントルペアレンティング育児を完璧に行うのは難しいと思います。
子育てに正解はありません。
完璧を目指すのではなく、できる範囲で取り入れることが大切です。
親子が笑顔で過ごせることが最も大切であり、それこそがジェントルペアレンティングの本質です。
最後までご覧いただきありがとうございます。
ジェントルペアレンティングについてもっと実践的に知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください